五十肩の改善ステップとは?|急性期・拘縮期・回復期の違いと対応方法

肩の痛みと対策

「五十肩は放っておけば、そのうち治るよ」。そう言われて様子を見ている方は多いと思います。半分は本当です。でも半分は危険です。

五十肩は時期によって「やるべきこと」が正反対になる不調だからです。安静が正解の時期に頑張って動かせば長引きます。動かすべき時期に安静のままなら、固まったまま残ります。

この記事では、病院で15年、肩のリハビリに関わってきた作業療法士として、3つの時期の見分け方と、それぞれの正解をお伝えします。

五十肩の回復は、3つの時期を通ります

五十肩(肩関節周囲炎)は、多くの場合「炎症期→拘縮期→回復期」という流れをたどります。期間には個人差が大きく、全体で半年〜1年以上かかることも珍しくありません。

① 炎症期——痛みが主役の時期

  • じっとしていてもズキズキ痛む
  • 夜、痛みで目が覚める(夜間痛)
  • 腕を動かした瞬間、鋭い痛みが走る

この時期の正解は、無理に動かさないことです。痛みをこらえて肩を回すと、炎症の火に薪をくべることになります。

生活では、痛みの出る動作を避ける工夫が効きます。上着は痛い方の腕から袖を通す。夜は抱き枕に腕を乗せて、肩への引っ張りを減らす。「治す」より「悪化させない」が仕事の時期です。

② 拘縮期——固まりの時期

  • ズキズキする痛みは落ち着いてくる
  • 代わりに肩が固まり、動く範囲が狭くなる
  • 髪を結ぶ・背中に手を回す動作で突っ張る

ここからは、やさしく動かし始める時期です。ただし肩の関節だけを無理にストレッチするのではなく、肩甲骨や背中など「肩を助ける部分」から動きを取り戻すほうが、痛みが少なく進みます。

③ 回復期——取り戻す時期

  • 痛みはだいぶ軽くなった
  • 動く範囲が少しずつ広がってきた
  • ただ、以前より腕が細くなった・力が入りにくい

この時期は、動かして可動域と筋力を取り戻すことが正解になります。ここで「もう痛くないから」と何もしないと、狭い可動域のまま定着してしまいます。具体的な動かし方は回復期におすすめの肩の動かし方で解説しています。

いまどの時期か、2つの質問で見分ける

質問1:夜、何もしていなくてもズキズキ痛みますか?
「はい」なら、炎症期の可能性が高いです。まだ頑張る時期ではありません。

質問2:痛みより「突っ張って上がらない」が主になっていますか?
「はい」なら、拘縮期〜回復期へ進んでいます。少しずつ動かし始めるサインです。

実際には、時期の境目はグラデーションです。「夜の痛みは減ったけど、動かすとまだ鋭く痛む日がある」という中間も多い。判断に迷うのが普通なので、迷ったら評価を受けてください。当院の初回は、この見極めから始めます。

時期を間違えると、何が起きるか

炎症期に頑張ってしまった方は、痛みの期間が延びます。回復期に安静を続けた方は、痛みが消えても腕が上がらないまま残ります。

どちらも、ご本人は真面目に「良かれと思って」やっています。悪いのは本人ではなく、時期の情報が届いていないことです。詳しくは初期にやってはいけないこともどうぞ。

こんな方がいました。

「友だちが『動かしていたら治った、動かさなきゃダメよ』って言うから、痛くても頑張って動かしていたんです」

来院されたのは、そこから半年ほど経ってからでした。炎症はまだ引いておらず、肩甲骨もかなりかたくなっていました。

友人のアドバイスは、悪意がある話ではありません。実際に「動かして良くなった」という経験をしている方の言葉です。ただ、五十肩には時期があって、炎症が強い時期に頑張って動かすと、かえって長引いてしまうことがあります。

「ポジティブに受け取りすぎてしまいました」とご本人も苦笑いしながらおっしゃっていました。

正直に言うと、「どの時期か」を自分で判断するのは難しいんです。痛みの感じ方は人によって違うし、見た目ではわかりにくい。だからこそ、「なんか変だな」と思ったら早めに相談してほしいと思っています。

こんなときは、先に病院へ

転んだ・ぶつけたなど、きっかけのある強い痛みは、腱の損傷などの可能性があります。手や腕のしびれを伴う場合も、まず整形外科で確認してください。診断がついたうえでの「その後の付き合い方」は、当院がお手伝いできる領域です。

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五十肩は長い付き合いになりますが、いまどの時期かが分かるだけで、今日やることが決まります。まずは上の2つの質問から始めてみてください。

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