親の介護をするたびに肩が痛くなる。起き上がりを手伝うときに肩がズキッとする。毎日の介助で肩と腰が限界になってきた……。
「介護をやめるわけにはいかない」という状況の中で、自分の体の悲鳴を後回しにしている方が多くいます。しかし、介護者自身が体を壊してしまうと、介護を続けることができなくなります。
介護による肩の痛みは、肩こりの悪化だけでなく四十肩・五十肩が関係していることがあります。また、介護動作の「体の使い方」を少し変えるだけで、肩への負担を大幅に減らせることも多くあります。
介護で肩がつらくなる「動作別の負担」
介護の中でも、特に肩への負担が大きい動作があります。
① 起き上がり介助・体位変換
ベッド上の親を起き上がらせるとき、腕で引き上げようとすると肩に強い負荷がかかります。特に「腕だけで引っ張り上げる」動作は、肩関節に体重の何倍もの力がかかるため、繰り返すことで肩を傷めやすくなります。
② 移乗介助(ベッドから車椅子など)
ベッドから車椅子への移乗では、親の体を支えながら方向を変える動作が入ります。このとき介護者が中腰になりながら腕で支えると、腰と肩の両方に同時に負担がかかります。また、親が不安定なときに急にバランスを崩されると、肩に瞬間的な大きな力がかかります。
③ 車椅子の押しや介助歩行
車椅子を押す動作は、腕を前に伸ばした状態で重さを支え続ける動きです。段差や坂道での操作は特に負荷が大きくなります。介助歩行では、親が体を預けてきたときに肩で支えようとすると、肩関節に予期しない負荷がかかります。

自分でできるチェック|肩こりタイプ?四十肩タイプ?
🔴 四十肩・五十肩の初期サインが疑われる
- 介助のときに肩にズキッとした痛みが走ることがある
- 最近、腕を肩より上に上げると違和感・痛みがある
- 服の着脱・後ろへの手回し動作がつらくなってきた
- 夜中や朝方に肩が痛くなることがある
- 40〜60代で、最近肩の動きが悪くなってきた気がする
🔵 肩こり・筋肉疲労タイプの可能性が高い
- 介護後は肩が重いが、翌日には回復している
- 腕は問題なく上がる
- 揉んだり温めたりすると楽になる
- 介護量が増えると悪化し、減ると楽になる
※両方に当てはまる方も多くいます。判断しにくい場合は専門家に確認してもらうのが安心です。
介護で肩への負担を減らす「4つの動作の工夫」
① 「腕で引く」ではなく「体重を使って起こす」
起き上がり介助では、腕で引っ張るのではなく、介護者自身が後ろに体重をかけながら起こす「体重移動の介助」に変えると、肩への負担が大きく減ります。具体的には、親の肩と膝を支えて「てこ」を使うように起こす方法です。介護の教科書にある「ボディメカニクス」の考え方ですが、実際の動作に落とし込むには少しコツがあります。
② 移乗のときは「自分の体を親に近づける」
移乗介助で腕を伸ばして支えると肩への負担が増えます。自分の体を親のすぐそばに密着させ、腕を伸ばさずに支えると、体幹全体で支えることができて肩への集中負荷が減ります。「近づく」という意識だけで介助のしやすさと肩への負担が変わります。
③ 介護用品・福祉用具を積極的に使う
スライディングシート・移乗ボード・手すり・ベッド柵などの福祉用具を使うことで、介護者の体への負担を劇的に減らせます。「道具を使うのは申し訳ない」と感じる方もいますが、道具を使うことで介護者が長く続けられるようになることが、介護される親にとっても大きなメリットです。お住まいの地域の包括支援センターやケアマネジャーに相談することで、介護保険でレンタルできる用具もあります。
④ 介護の合間に「肩のリセット」を入れる
介護の合間に2〜3分でできる肩のリセットを習慣にしましょう。肩をゆっくり前後に10回ずつ回す・肩をすくめてからストンと落とす脱力を繰り返すだけで、無意識の力みをリセットできます。「忙しくてそんな時間はない」という方こそ、短時間で体をリセットすることが介護を続けるための投資になります。

やってはいけないこと
❌ 「自分のことは後回し」を続けない
介護に追われる中で自分の体の痛みを後回しにすることは、長期的には介護の継続そのものを危うくします。介護者が倒れることが、介護される側にとって最も困る事態です。「自分の体を整えること」は「介護を続けるための準備」と捉えてください。
❌ 四十肩の疑いがあるのに無理な介助を繰り返さない
介助のたびに肩が痛む状態を放置して介護を続けると、四十肩の炎症が慢性化し、最終的には腕がほとんど上がらなくなることがあります。「介護があるから整体に行けない」ではなく、「介護を続けるために整体に行く」という発想の転換が大切です。
整体でできること
当院では「親の介護で肩を痛めた」「介護をやめられないが肩がつらい」というご相談を多くいただきます。
私は作業療法士として15年間、病院・施設のリハビリ現場で「介護する側の体の使い方」と「介護される側の動作支援」の両面に関わってきました。介護動作の負担がどこに集中しやすいか、どう動けば体への負荷が減るかを、実際の介護場面を踏まえてアドバイスできます。
肩の状態を確認したうえで、施術と並行して「今の介護の中で何をどう変えるか」を一緒に考えていきます。「介護をしながら体を整えていく」ための現実的な方法を提案します。
よくある質問
Q. 介護で肩を痛めた場合、まず何をすればいいですか?
まず「今の痛みが肩こりの悪化なのか、四十肩が始まっているのか」を確認することが優先です。強い炎症がある場合は無理な介助動作を続けることで急激に悪化するため、早めに専門家に状態を確認してもらうことをおすすめします。並行して、介護動作の見直し(体の使い方・福祉用具の活用)を検討してください。
Q. 整体に通う時間がなかなか取れませんが……
介護をされている方は時間の確保が難しいことが多いです。当院ではご状況を踏まえて、無理のない来院ペースで対応しています。また、「今日の介護動作でどこを変えるか」という実践的なアドバイスも施術の中でお伝えしていますので、通院間隔が空いても日常の中でケアを続けていただけます。まずはご相談ください。
Q. 介護の体の使い方を相談できる場所はありますか?
地域の包括支援センターや訪問リハビリ(要介護認定を受けている場合)でも介護動作の指導を受けられる場合があります。当院でも、実際の介護状況をお聞きしながら動作の工夫をアドバイスすることが可能です。「どこに相談すればいいかわからない」という場合も、まずお気軽にご連絡ください。
こんな方はご相談ください
- 親の介護をするたびに肩が痛くなる
- 介助のときに肩がズキッとすることがある
- 毎日の介護で肩と腰が限界に近づいている
- 介護をやめられないが、自分の体も心配
- 介護動作の体の使い方を見直したい
「介護を続けるために自分の体を整える」という視点で、一緒に取り組みましょう。まずは一度、現状を確認しにきてください。
四十肩・五十肩について詳しく知りたい方はこちら:
四十肩・五十肩の症状と対処法|つくば桜日和整体

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