肩がうまく上がらないとき、多くの人は「肩そのもの」に注目しがちです。
でも実は、肩甲骨の動きが悪いことが原因になっているケースも非常に多いのです。
✅ キーワードは「肩甲上腕リズム」
私たちが腕を上に挙げるとき、肩関節(上腕骨)だけが動いているわけではありません。
実は同時に、肩甲骨も連動して動くことで、スムーズな挙上が可能になります。
この肩関節と肩甲骨の連動した動きを「肩甲上腕リズム」といいます。
✅ どんな比率で動いているの?
たとえば、腕を真上(180°)まであげるときの動きは…
- 上腕骨(肩関節の動き)…120°
- 肩甲骨の回旋(肩甲胸郭関節)…60°
という 2:1 の比率で動いています。
つまり、肩甲骨がしっかり動かないと、腕も十分には上がらないのです。
✅ 肩甲骨が動かないとどうなる?
肩甲骨の動きが悪いと…
- 腕を上げようとしても途中で止まる
- 無理やり上げようとして肩関節に痛みが出る
- 肩のインナーマッスルに過剰な負担がかかる
- 肩こりや首こり、頭痛につながることも
など、さまざまな不調を引き起こす要因になります。
✅ 肩甲骨の動きを妨げる原因とは?
以下のような原因で、肩甲骨の可動性が落ちている人が多いです。
- 猫背・巻き肩などの悪い姿勢
- デスクワークやスマホによる前傾姿勢の習慣
- 背中側の筋肉(菱形筋、僧帽筋中部下部など)の筋力低下
- 肩甲骨周囲の筋膜のこわばり
✅ 肩甲骨の動きを引き出すエクササイズ
- 肩甲骨寄せ体操(壁にもたれて)
背中を壁につけ、肩甲骨をゆっくりと寄せるように動かします。 - 四つ這いでの肩甲骨ストレッチ
床に手をつき、肩甲骨を上下にゆっくりスライドさせる。 - 椅子に座ってバンザイ運動
両手を上にあげるときに、背中側で肩甲骨が滑るのを意識して行う。
✅ まとめ:肩が上がらないなら、肩甲骨にも注目!
肩が上がらないと感じたら、まずは肩関節だけでなく肩甲骨の動きにも目を向けてみましょう。
しなやかに肩甲骨が動けば、肩の負担がぐっと減り、スムーズに腕が挙がるようになります。
✅ 次回予告:「関節の“ゆるみ”と“かたさ”、どちらが危険?」
関節がゆるい人、固い人、それぞれリスクがあります。
次回は「動揺性」と「拘縮」の違いと、放置するとどうなるかをお届けします!
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