腕が上がりにくくなると、誰でも「肩の関節が悪くなった」と考えます。でも実際に評価してみると、肩の関節そのものより、肩甲骨が動いていないケースがとても多いのです。
腕は「肩の関節だけ」では上がらない
腕を真上まで上げる動きは、肩の関節と肩甲骨の共同作業です。ざっくり言うと、腕が上がる動きの3分の1ほどは、肩甲骨が背中の上を回ることで作られています。
つまり肩甲骨が固まって動かないと、肩の関節がいくら健康でも、腕は途中までしか上がりません。しかも足りない分を肩の関節だけで補おうとするため、肩の付け根に負担が集中して、痛みの原因にもなります。
▼ 図解ポイント
腕を上げる連動の図:バンザイする人物の背面図で、腕の動きと一緒に肩甲骨が外上方へ回転する様子を矢印で。肩甲骨が動かないと腕が途中で止まる対比図を小さく添える。
30秒チェック——あなたの肩甲骨は動いているか
- 右手の指先を左の鎖骨の外側(肩の付け根あたり)に軽く当てる
- そのまま左腕をゆっくり真上へ上げていく
- 指先の下で、骨がグッと動き出す感覚があるか確かめる(反対側も)
腕を上げても付け根の骨がほとんど動かない、左右で動きが明らかに違う。そんな場合は、肩甲骨がサボり癖をつけている可能性があります。
肩甲骨を「参加」させる練習
順番が大事です。いきなり腕を高く上げる練習をするのではなく、まず肩甲骨単体の動きから起こします。
- 入り口:肩甲骨リズム運動(動く感覚を取り戻す)
- 基本:肩甲骨寄せストレッチ(背中のスイッチを入れる)
- 仕上げ:肩甲骨ぐるぐる(大きな動きにつなげる)
この順で1〜2週間続けると、「腕だけで頑張って上げていた」動きに肩甲骨が参加し始めます。上がりやすさの変化を、最初のチェックで確かめながら進めてください。
こんな場合は、評価を先に
肩甲骨を動かしても上がらない、上げる途中で鋭い痛みが走る、夜もうずく。その場合は四十肩・五十肩など関節側の問題が絡んでいる可能性があります。時期の見分け方を参考にしつつ、無理に上げる練習は一旦止めて、状態の評価を先にしましょう。
当院では、腕の上がり方を見れば、肩甲骨と関節のどちらがどれだけサボっているかを分けて評価できます。「どこが原因か」が分かるだけで、やるべき練習は絞れます。
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