「洗濯物を干すときに肩が痛む」
「腕を持ち上げるだけでズキッとする」
高齢の方からよく聞くお悩みのひとつです。
家事の一環としてほぼ毎日行う洗濯作業ですが、実は肩関節にとって意外と負担の大きい動作なんです。
特に以下のような要素が組み合わさると、痛みや炎症が出やすくなります。
- 年齢に伴う筋力や柔軟性の低下
- 長年の使い方による関節の変形や癒着
- 腱板(けんばん)と呼ばれる肩のインナーマッスルの疲労や炎症
- 肩甲骨の動きの悪さによる動作の代償
肩は360度動かせる反面、非常にデリケートな構造をしており、負担をかけすぎるとすぐに不調を起こしやすい部位でもあります。
肩が痛くなる動作の特徴|洗濯動作に潜む“2つの負担”
洗濯物を干すとき、痛みが出やすい原因は主に次の2点です。
① 腕を肩より上に上げる動作(挙上)
腕を頭の高さ以上に上げる「挙上」動作は、腱板に大きな負担をかけます。
このとき肩甲骨がうまく動かないと、より肩の関節周囲が圧迫されてしまい、炎症を起こしやすくなります。
② 繰り返し行う動作によるオーバーユース
「毎日」「何度も」行うことで、じわじわと疲労の蓄積が起こり、慢性的な痛みに移行するケースもあります。
特に一人暮らしの高齢者などは家事を休むことが難しく、無理をし続けてしまうことも。
今日からできる!肩の痛みを軽減するための生活の工夫
✅ 1. 洗濯干しの高さを見直す
高い物干し竿は、腕を上げる動作を避けられません。
目の高さ〜胸の高さくらいに干せる環境を整えるだけで、肩への負担は激減します。
・低めの室内用物干し
・椅子に座って干せるタイプの折りたたみ式ラック
など、身体に合わせた道具を取り入れてみましょう。
✅ 2. 乾燥機や小型のランドリースペースを活用
どうしても干す作業がつらいときは、乾燥機を併用したり、家族と役割分担をするのもひとつの方法。
自分で全部こなそうとせず、「省エネ家事」の視点で考えてみましょう。
✅ 3. “肩だけ”に頼らない体の使い方を覚える
腕の力で持ち上げると肩に負担が集中します。
肘を体に近づけるように使い、背筋も含めて“体全体”で動かす意識を持つことで、肩周りの筋肉を守ることができます。
おすすめのセルフケア:肩甲骨の動きをよくする体操
痛みの出ない範囲で、肩甲骨まわりの血流を促す動きを取り入れることも効果的です。
たとえば…
- 壁に手をついて、円を描くように肩を動かす「壁ぐるぐる」
- 椅子に座って背筋を伸ばし、肩甲骨を寄せるようにして肩を回す「肩甲骨ストレッチ」
など、“筋トレではなく、軽い体操”がポイントです。
痛みは体のサイン。無理せず工夫していくことが大切です
家事は「やって当たり前」と思われがちですが、
体に無理がかかっているサインには早めに気づくことが大切です。
・洗濯物の干し方を変える
・肩をいたわる動きを日々取り入れる
・セルフケアを習慣化する
こうしたちょっとした工夫の積み重ねが、これからの生活の質を大きく変えていきます。
コメント