高いところでの作業が多い方に多い肩の不調とは?

肩の痛みと対策

脚立に乗っての作業、天井近くでの電気工事や塗装作業、木の枝を切る作業など、日常的に腕を上げた状態で作業することが多いお仕事をされている方。

こんなお悩みありませんか?

  • □ 最近、肩が重く感じるようになった
  • □ 腕を上げると痛みがある
  • □ 作業後に肩の奥がズーンとだるくなる

実はこのような症状、肩の構造的な負担から来ていることがあります。


なぜ腕を上げ続けると肩がつらくなるのか?

肩関節(肩甲上腕関節)は可動域がとても広く、その分、筋肉や腱で支えられています。中でも棘上筋(きょくじょうきん)肩甲骨周囲の筋肉がしっかり働くことで安定しています。

しかし、

  • 長時間、腕を肩より上にあげる姿勢
  • 繰り返しの作業による筋疲労

が続くことで、これらの筋肉に過度な負担がかかり、

  • 炎症(インピンジメント症候群)
  • 筋力低下
  • 可動域の制限

といった問題が起きやすくなります。


放っておくと…

「なんとなく重いだけだから…」とそのままにしておくと、

  • 腕が上がりにくくなる
  • 夜間痛(夜に肩がうずく)
  • 四十肩・五十肩の引き金

といった状態に進行してしまうこともあります。


作業前後のひと工夫が予防につながる

肩を守るために、作業の合間や終わった後に軽いケアを取り入れてみてください。

🔸作業前の肩甲骨まわり準備運動

作業前に肩甲骨を動かすことで、筋肉の準備が整い、ケガや不調の予防につながります。

  1. 両手を肩に置いて肘をゆっくり大きく回す(前後各10回)
  2. 肩をすくめるように持ち上げてストンと落とす(10回)
  3. 背筋を伸ばし、肩甲骨を寄せて5秒キープ(3回)

🔸作業後のリセット体操

肩甲骨まわりの体操

  1. 両手を肩に置き、肘で円を描くようにゆっくり前後回し
  2. 肩甲骨がしっかり動いているのを意識しながら、各10回ずつ

腕のストレッチ

  1. 片腕を体の前に伸ばし、反対の手で肘を抱えて横に引き寄せる
  2. 肩の後ろ側が伸びるのを感じながら15秒キープ

こうしたケアは、筋肉の柔軟性や血流を保つことに役立ちます。


小さな工夫で大きな違いを

「大したことないと思っていた肩の疲れ」が、ある日突然、強い痛みにつながることもあります。

だからこそ、日々のセルフケアの積み重ねが大切です。
体のメンテナンスも仕事の一部と考えて、無理のない範囲で体を労っていきましょう。


▶ 次回予告

握る・持つ作業で手首やひじに痛みが出る理由とは?
次回は、前腕や肘の負担に焦点を当ててご紹介します。

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