立ち仕事の人より、座り仕事の人のほうが肩こりの相談は多い。意外に思われますが、当院でも実感する傾向です。「座っているだけ」なのに、なぜ体は固まっていくのでしょうか。
「動かない」は、体にとって楽ではない
座っている間、体は休んでいるように見えて、同じ筋肉が同じ長さで働き続けています。頭を支える首、腕を吊る肩、上体を保つ背中。動きがないぶん血流のポンプも働かず、疲労物質が同じ場所に溜まり続けます。
筋肉には「動いて疲れる」より「動かずに固定されて疲れる」ほうがこたえる、という性質があります。長時間の座り姿勢は、まさに後者の連続です。
座りっぱなしが関節にも及ぶ理由
筋肉だけではありません。関節は動くことで栄養が行き渡る仕組みになっています。肩甲骨が1〜2時間動かない座り姿勢が毎日続くと、筋肉のこりに加えて、関節そのもののこわばりが積み重なっていきます。
「立ち上がった瞬間、体がギシッとする」のは、この固定の蓄積のサインです。
対策の軸は「良い姿勢」より「動きの回数」
完璧な座り姿勢を追求するより、固定時間を区切るほうが効果的です。
- 30分に1回、立つ(トイレ・お茶・印刷など理由を仕込む)
- 座ったままなら、3分の肩ほぐしルーティンを合図制で
- 1時間に1回は、両手を上げて伸びをして深呼吸
- 立てない会議中は、足首を回す・お尻に交互に体重を乗せ替えるだけでも
「30分に1回も立てない」という方は、飲み物を小さいコップにする、ゴミ箱を遠くに置くなど、立つ理由を環境に埋め込むのがコツです。
座る環境も、味方につける
深く座って骨盤を立てる、肘を肘掛けか机に預ける、画面の上端を目の高さに。デスク環境のチェックリストで、固まりにくい席を作っておくと、動く回数の効果がさらに活きます。
区切っても取れないこわばりは
何年も座り続けてきた体は、肩甲骨や背骨の動きそのものが硬くなっていることがあります。動かす習慣を2〜3週間続けても変わらなければ、固定の蓄積が自分でほどける範囲を超えているサインです。一度、動きの評価にいらしてください。
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