デスクワークの夕方、背中がガチガチで、肩が重い。そんなときの「基本の一手」が、肩甲骨寄せストレッチです。
道具なし、座ったまま、10回で1分。シンプルですが、やり方の正しさで効果がまるで変わる運動です。作業療法士として、正しいフォームとよくある間違いをセットで解説します。
なぜ「肩甲骨を寄せる」と肩こりに効くのか
長時間のデスクワークやスマホで、肩甲骨は背中の外側へ開きっぱなしになります。開きっぱなしの間、背中の筋肉は引き伸ばされたまま働き続け、肩こり・巻き肩・浅い呼吸の土台になります。
肩甲骨を「寄せる」動きは、この開きっぱなしをリセットする動きです。1日に何度か寄せるだけで、背中に「休憩時間」を作れます。
正しいやり方
- 背すじを軽く伸ばす(顎は軽く引く)
- 両肘を軽く曲げ、腕の力は使わずに
- 肩甲骨を背骨のほうへ、ゆっくり引き寄せる
- 呼吸を止めずに20秒〜30秒キープ → ふっと力を抜いて戻す
- 10回×1〜2セット。朝・夕や仕事の合間に

▼ 図解ポイント
横から見た正しいフォーム:肩甲骨だけが背骨へ寄り、肩の高さは変わらない。肘は軽く曲げ、腰は反らない。
よくある3つの間違い
「YouTubeで見てやってるんですけど、なんか違う気がして」
そうおっしゃる方が、結構います。
動画を参考に自分で取り組んでくれているのは本当に嬉しいんですが、実際に動きを見せてもらうと、腕の力で形だけ作っていて、肩甲骨は全然動いていない、ということが多いんです。
これは仕方がないことで、YouTubeで解説している方はたいてい体が動く状態で話しています。でも、肩がガチガチに固まっている人が同じことをしようとすると、感覚がつかめないまま力任せになってしまう。それで余計に痛めてしまうケースも見てきました。
そこで私がよくやるのは、手で肩甲骨を誘導しながら、「この動き」という感覚を先に体験してもらうことです。「あ、これが肩甲骨が動く感じか」とわかってから自主トレに入ると、動かし方が変わります。
「前は動いてなかったんだなって、今になってわかります」
そう言ってくださった方のひと言が、印象に残っています。最初は回数も負荷もごく控えめに。日常のすき間にこまめに、というのが長続きのコツです。
① 肩をすくめてしまう:肩が耳に近づいたら、それは肩甲骨ではなく首の運動になっています。肩の高さは変えずに、後ろへ「寄せる」だけ。
② 腕の力で引いてしまう:肘を後ろへ引っ張るのではなく、背中の真ん中に「寄せるスイッチ」がある意識で。
③ 腰を反らせてしまう:胸を張りすぎると腰が反り、腰痛のもとになります。動くのは肩甲骨だけです。

効果を高めるコツ
寄せたときに「背中の真ん中に縦のシワが寄る」感覚があれば正解です。ピンとこない方は、一度両肩をすくめてストンと落としてから始めると、肩の力が抜けて感覚をつかみやすくなります。
回数を増やすより、1回1回をゆっくり。速い10回より、丁寧な5回のほうが効きます。
続けても背中の重さが変わらないときは
2〜3週間続けても変わらない場合、肩甲骨そのものの動きが硬くなっていて、「寄せる」動きが出ていない可能性があります。当院では肩甲骨の動きを実際に評価して、あなたの体に合う運動へ調整します。
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肩甲骨寄せは、地味だけれど裏切らない基本動作です。今日の休憩から、丁寧な5回を。
この症状を根本から見直したい方へ


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