農作業で肩こりや背中の痛みがとれない理由とは?

肩の痛みと対策

午前中いっぱい草取りをして、夕方には腰より先に肩と背中がバキバキ。かごを持ち上げるとき、肩がズシッと重い。畑仕事をされる方から、この相談をよく受けます。

農作業の肩こりの正体は、前かがみで腕を体の前に出し続けることで、肩甲骨が開きっぱなしになることです。ここが分かると、対策も見えてきます。

なぜ草取りで「肩」までつらくなるのか

草取りの姿勢を分解してみます。しゃがんで、腕を体の前に伸ばし、手元を見るために頭を下げる。この3つが同時に、何十分も続きます。

腕が体の前にあるあいだ、肩甲骨は背中の外側へ開きっぱなしです。すると背中の筋肉は、引き伸ばされたまま働き続けることになります。

筋肉には「縮んで疲れる」だけでなく「伸ばされたまま働いて疲れる」パターンがあります。農作業の肩・背中は後者です。だから激しく動いていないのに、パンパンに張るのです。

さらに同じ姿勢が続くと血流が滞り、疲労物質が流れにくくなります。「一晩寝ても抜けない重さ」はこうして作られます。

作業前の2〜3分で、肩甲骨を起こす

作業の前に、開きっぱなしになる肩甲骨をあらかじめ動かしておくと、負担のかかり方が変わります。

  • 肩をすくめて、ストンと落とす ×10回
  • 肘を曲げて、肩甲骨を背中の真ん中へグッと寄せて3秒 ×5回
  • 両腕で大きな円をゆっくり描く 前後10回ずつ

畑に着いてから道具を並べるあいだにできる量です。準備運動というより「肩甲骨を起こしてから使う」イメージで。

作業中の工夫——ここが一番効きます

30分に1回、立って空を見る

タイマーでも、畝の端まで進んだらでも構いません。立ち上がって、両手を腰に当てて、空を見る。前かがみでい続けた背中と首が、いったんリセットされます。

かごは「体に寄せて」持つ

収穫かごを腕の力だけでぶら下げると、肩が引っ張られます。体に寄せて抱えるか、片側だけで持ち続けず左右を交代してください。

前かがみの角度を道具で減らす

長柄の草かき、低い作業椅子、膝当て。前かがみの角度が浅くなる道具は、そのまま肩と背中の労働時間を減らしてくれます。がんばりを道具に肩代わりさせましょう。

作業後は、伸ばされた背中を「ゆるめる」

  • 壁に両手をついて、ゆっくり背中を伸ばす前屈 10秒×2回
  • 両手で肩を触り、肘で大きな円を描くように前後に回す
  • 最後に肩から背中を手のひらでさする(血流が戻ります)

お風呂のあとに行うと、より緩みやすくなります。

こんなときは、一度見せてください

工夫をしても「朝になっても背中の重さが抜けない」状態が2週間以上続くなら、筋肉だけでなく肩甲骨や背骨の動きが硬くなっているサインです。

当院では、実際の作業姿勢を伺いながら、どの動きで負担が集中しているかを評価します。畑仕事をやめる必要はありません。続けられる体の使い方を一緒に作ります。

腕や手のしびれを伴う場合は、先に整形外科の受診をおすすめします。

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農作業の疲れは、季節ものだからとあきらめなくて大丈夫です。作業の前後2〜3分と、30分に1回の空。まずはこれだけ試してみてください。

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